オタクの行動力が走りだしたら止まらない話
もちづきです。
生まれたときから私鉄民です。
聖地巡礼の話です。
はじめに、今回のエントリーは 品田遊「止まりだしたら走らない」のネタバレをめちゃくちゃ含んでいるどころか読んだ前提で進みます。
わたし自身普段はネタバレなんかほとんど気にしないのですが、今回のエントリーはこちらの本を読んでからご覧になることを強くおすすめします。読まないとなんのこっちゃさっぱりわからないと思いますので。
ちなみに今(2021/05/10現在)AmazonのセールでKindle版が異常に安いです。利益あるんかこれ。
買った?
読んだ?
OK?
はい。
それでは進めていきましょう。
高尾山に登りました。
読んだ人ならもうこれだけでわかるはず。
この話、最初は「2人の乗った電車に乗れるだろうか」というところから始まりました。
調べてみると、中央線の東京-高尾間の普通列車は「止まりだしたら走らない」刊行時からどうやらダイヤの変更がないらしい。つまり2人の乗った電車にわたしも乗れるわけです。
乗れるなら乗りたい、乗りたくない?
ということで、ダイヤと本とにらめっこしながらどの電車なのかを検討してみました。
まず、本に書かれた内容から2人の行程を探ります。
・8時に東京駅の銀の鈴前に集合し、そこから中央線快速の高尾行に乗る。
・三鷹で降りて、降りたその電車とその次の電車に乗りそびれ、さらにその次に来た中央特快の高尾行に乗る。
電車に関してはこの2つが本からわかります。2つ目が少しやっかい。
三鷹を発った2本後に中央特快高尾行きが来る8時台の電車、そしてそこまで銀の鈴前で時間を引き伸ばしてなさそうな描写から8時台も前半なんじゃないかという推理ができます。
この条件を満たす行程が1つだけ存在しました。
8:08 東京発 快速 高尾行
↓
8:38 三鷹着(待ち合わせのため8:41三鷹発、すっぽかす)
・8:47同じホームから発の各停立川行をすっぽかす
8:52 三鷹発 中央特快 高尾行
↓
9:23 高尾着
これじゃない!?!?!?!?
まあこれだと仮に8:47発に乗れてもどうあれ立川で中央特快に乗り換えはするんですけど。休日の8〜9時台は中央特快自体が時間あたり2本ぐらいしかないからそこでかなり候補がなくなっていくな。
電車のルートはわかりました。
じゃあ次は登山道だな。
また本からわかることを書き出していく。
・JR高尾駅からケーブルカーとかを使わずに行く
・11時ごろに途中のレストランで天狗ドックを食べる
・2号路を通って4号路に入りみやま橋を渡る
ケーブルカーを使わずに登山へ入る時点でもうだいぶイレギュラーなんだよな……調べても調べてもみんなケーブルカーに乗ってしまう……
こちらはとったルートは最後に載せようと思うのでお楽しみに。
ここまで考察したのが金曜日の早朝。なお土曜日は仕事でした。何してんの?
──そして日曜日。歩きだしたら止まらない突発山登り、スタートです。
ここからは、その時のことをなるべく残しておこうと箇条書きにしています。
箇条書きだとブログ書きやすいな、という気づきがあった。
・東京駅からスタート。
・7:54から迷子になるやつおりゅ〜?
・あった〜〜〜〜。7:56です。ギリギリ。
・ショボいなぁ……(噛みしめるように)
・たぶん、ここに最後にちゃんと来たのって小学生のころだった。これは4代目らしいのですがわたしが最後に見たのはなんならギリギリ3代目だったまである。はじめまして……かもしれない……
・銀の鈴は地下1階ですがいくら地下1階をぐるぐるしても中央線はない。クソ焦りました。
・最後に銀の鈴を見たのは小学生ってさっき書いたけど、その頃は年2で新幹線に乗る新幹線乗人(しんかんせんのりんちゅ)だったから、わたしにとっての東京駅ってこの「新幹線のりば」なんだよな。
・あった〜!よかった〜!
・快速高尾行。もう最高。これを見に来たまである。
・3号車っていうのも実は本に書いてある。
・ここから電車乗ってる間は写真あんまないです。なぜなら言うて人はいるから。
・ずっと「そしてぼくらは旅にでる」を聴いている。ステラステージ実況で初めて聴いてめちゃ良いなと思ってステラマスターを買ったやつです。
・総武線各停にはたまに乗ることはあるんだけど快速にはマジで乗ったことなくて、四ツ谷らへんのかろうじて見たことあるエリアを爆速で抜けていくのでこれが"快速"……ってなった。
・日曜の朝8時でもまあまあ人いるわね……
・中野。
・中野、明大と帝京平成大のキャンパスがマジで隣すぎて見るたびにロミオとジュリエットか?と言ってしまう。
・中野-荻窪。
・このために律儀にフリスク(※ミンティア)も買ったのさ。
・ミントじゃないのは絶対処理に困ると思ったからです。
・このミンティアでっけーやつだ。5粒も口の中に入れたら口パンパンになっちゃう。
・なんでもいいと思ってるのは先輩同様。
・新宿と中野で人がガッツリ降りたからやっと休日の下りって感じが出てきた。
・荻窪-吉祥寺。杉並三駅ぶちぬきのターン。
・国立へ行きたいマダムに3回話しかけられてびびる。
・マダム「ごめんなさいね、初めてなの」
・申し訳ないですがわたしも初めてなんですワ……
・吉祥寺-三鷹。
・実は完徹明けなんですが全然眠くならない。ここらへんの寝過ごしを心配してたけどギンギンしている。
・三鷹。
・ここで電車を2本すっ飛ばします。
・日曜だってのに仕事っぽい人がだいぶいる。
・中央特快に乗る。
・三鷹-国分寺。
・さすがにここまでぶっ飛ばす電車なのでさっきよりは混んでる。
・乗ってから豆乳を買いっぱぐれたことに気づいた。アトレのSUBWAYに向かって自動操縦モードになってたな……SUBWAY大好きなので……
・でっけーイトヨ見ると無条件でテンション上がるな。
・武蔵小金井にある高校って小金井北なのかな……さすがに多摩科技はなさそうだし……ってずっと思っている。
・国分寺-立川。
・通り過ぎていく国立駅とかが妙に綺麗なんだよな。京王線の新宿から調布方面へ行くのにぶち抜かれていく3駅に近いものを感じる。京王線における布田。
・立川、一時期年1で通ってた(通過の意)けど、分倍河原から南武線で青梅線へ行く中継点だったから高尾方面はマジで来たことない。
・立川-日野。
・立川で一気に人が降りた。
・多摩川の河川敷のめちゃ広い公園とでっけー団地。「東京の郊外」のお手本みたいで好き。
・河川敷の公園に憧れがあるのかも。
・日野-豊田。
・いよいよ緑が多くなってきた。
・あ!!でっけーイオン!!
・豊田-八王子。
・そういえば豊田は八王子の隣なのか。
・知ってる八王子住みの人間がみんな行動範囲の都合で京王線を使ってるからあんまり実感がなかった。わたしも八王子に来ようと思ったらたぶん京王線を使うと思うし。
・八王子で横浜線へ乗り換えもできるらしい。八王子から1本で横浜に行けるのもよくわかんないな。明らかに偏見なんだけど八王子に"山"のイメージがありすぎるし横浜に"海"のイメージがありすぎる。
・八王子-西八王子。
・意外とまだ人がいる。みんな高尾で降りるのかな。それとも西八王子ってわたしが思ってるより使われてるのかな。
・民放のAMラジオをよく聴くので西八王子にはインプラントのイメージが染みついている。
・めっちゃ道のそば走るな……
・西八王子-高尾。
・まあ当たり前かもしれないけど、生活利用っぽい人ばっかだな。
・風景は相変わらずだいぶ家。青梅線の奥多摩行とかは青梅抜けたらずっと山だけど、高尾は急に山があるのかな。
・でもここから中央本線の相模湖方面に入るから、中央線の高尾は青梅線で言うところの青梅なんだろうか。
・高尾着いた〜。
・ここからリフトに乗らずに高尾山を目指します。
・しばらくは甲州街道に沿って歩く。
・トリックアート美術館とかも行きたかったけど、また今度にしましょう。
・9:37。BGMを「ここから、ここから」にした。
・南極に比べれば高尾山なんか大したことはない。
・こういうところが好きという写真です。
・しばらくはずっと道なり。
・圏央道の高尾山インターまで2km。
・ふふっ 見て 山。めっちゃ(浅倉透)
・高尾山名物トリックアート美術館まで600m地点らしいけど、高尾山名物は高尾山なんじゃないのか?
・ド民家の間を行く。あってるのかこれ……
・山登りに来てるから当然なんだけどもうだいぶ坂道。
・急に山が来た!?
・音止めて登山開始。
・無限に鳥の鳴き声がする。
・後ろから時々でっかい台車を転がすみたいな音が聞こえていたんだけど、しばらくして京王線だと気づいた。そんな近いのか〜。
・無心で登ってたけど、道幅が狭すぎんのよ。怖かったよ。軽装備だし。
・父方の祖母が、13〜4年前の今ぐらいの時期に山登ってて転げ落ちて亡くなったことを思い出してしまった。トラウマえぐりに来たんじゃないんだぞ。
・マジで誰もいなくて、怖すぎて小声で「ここから、ここから」を歌っていました。
・10:15。金比羅台園地に着きました。
・その名の通りこんぴらさんがある。
・明らかに都会のビルとか見えるやん。すごいな。
・5分ぐらい休んで、ここからはしばらく1号路を進みます。
・1号路はメジャーな道なので明らかに整備されてて道幅もめっちゃ広くなった。
・10:38、リフト乗り場!ちょっと休憩してまた登る。
・リフト乗り場からちょっと行くとケーブルカー乗り場があって、ここにはお土産屋さんとレストランがある。
・ここにある「高尾山ビアマウント」で名物の天狗ドックを食べます。
・天狗ドックを売ってる場所をしばし探して10:54。だいたい同じになった。
・でっっっっっっっけ
・肉汁やばすぎて笑っちゃった。初手ではみ出てるのを両方かじると"終わり"になるやつだ。
・さすがビアマウント、これはビールに合いそう。
・ビールとのセットもあるらしいです。わたしはこれから登るってところなのでどう転んでも酒は飲めない。たぶん降りてきてビールキメてケーブルカーで帰るのがビールセットの定石なんだな。
・リフトは酒気帯びお断りらしいです。
・ビアマウントもエグい眺望をしている。
・全快しました。ゲージ緑です。
・って言ってるそばからお団子も食べちゃった。目の前で焼いている。アチアチ。
・三福(みつふく)だんごと言うらしい。くるみ味噌だれがおいしい。
・今度こそ登山再開です。
・2号路を通って4号路に出ます。
・下るよ〜。
・またこんな狭い道……怖すぎなんですが……
・4号路に入ります。
・道ばっか貼ってるからお花なども貼っておきます。
・急に怖くなるな。
・道が凹んでたところでヒエッて声出た。
・とか言ってたら突然、それは現れました。
・「あっ!?」て声に出た。
・みやま橋────!
・ちなみに(ちょっと写ってるけど)クッソ毛虫いるのでマジマジと見ないことをおすすめします。ザトウムシですよ先輩とかいうレベルじゃなかった。ペポ、毛虫だよ。
・唯一の吊り橋ルートなので人通りが常にあるんだけど、あまりにも毛虫がやばすぎて通ってきた人と一瞬毛虫の話題になる。
・渡りながら真ん中で振り返ったりなんかしてみた。絵になるなあ……
・物語を見届けてしまった……
・しかし山登りは続きます。俺たちは物語の先を見るのだ。
・みやま橋からしばらくマジで毛虫メチャクソ無限湧きなので毛虫耐性ない方の追走はくれぐれもお気をつけください。休憩してたら下の方から「やだ〜〜〜〜けむしばっかり〜〜〜〜」という幼児の泣きじゃくる声がしました。
・ここからはわたしの自由意思による物語。いろはの森コースに行こうかな……
・道ひろ〜い。
・道の狭さへの恐怖がやばすぎたので快適です。
・しかし階段がエグいな……
・土が踏み固められるのを防ぐ意味があるらしいのですが、いや、マジでエグいな。
・エグい階段と毛虫を乗り越えるとまた1号路に合流します。ここまで来ればあと少し。
・やった〜!!
・途中から薄々思ってたけど人はまあまあいる。
・これこんなところにもあるのか……(困惑)
・見晴らし台もある。晴れてくれてよかった。
・のんびりしてもよかったのですが、行きたいところがあるのでシャトル下山します。
・つよそうなピースポール。
・天狗注意の標識が立つここは高尾山薬王院。
・1号路の途中にあり、他コースを行くとどうしても通り過ぎてしまうのです。せっかくだから寄っておきたかった。
・でっかかったな〜。色々と……
・色々のそのへんは自分の目で確かめてほしい。
・ヒントは「八王子であることを実感した」です。
・薬王院からケーブルカー乗り場までは割とすぐ。おそば食べました。
・せいろそばってなんで急〜に食べたくなるんだろう。秒でなくなりました。
・帰りは楽をして下ります。
・リフトでなァ!
・ケーブルカーもあるけど開放感だったら断然こっちだな。すぐ乗れるし。
・先輩と都築くん……帰り乗ったの……かなあ……
・みんなはどう思う?わたしは……わたしは……(固まる)
・どうあれ、なんだかんだ楽しかった。意外とサクサク登れたし。
・また来たいよ、君と……
ということで無事に行って帰ってこれました。
今回往路で取ったコース、JR高尾駅〜金比羅台コース〜1号路〜霞台展望台〜一瞬2号路を通って4号路〜いろはの森〜1号路〜山頂 といった感じなんですが、高尾山ビジターセンターが置いてくれてるマップに書き込んでみました。
めちゃくちゃうねうねしてますね。
ちなみに高尾山ビジターセンターのホームページにはもっと簡易なコースマップもあるのですが、そっちには本当に最初の金比羅台のあたりに「悪路注意」って書いてあります。いや……そうだよね!?悪路だよね!?めちゃくちゃ怖かったよ!
それともふたりはこんなやばい道じゃなくて普通に1号路の入り口まで歩いて行ったってだけ?それはそれでどうなのって感じもあるんですけど、もしかして大冒険しちゃいました?勢いだけで行ったからな……
楽しかったですが足と体力が終わった。16時半ぐらいに帰ってきて休憩のつもりで寝っ転がったら23時前になっちゃった。
お守りを返しにいずれまた行きます。もう一回ルート検討して、あと豆乳も買わないとだな。それでは。